消費者お役立ち情報

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消費者を取り巻く現状と消費者団体の役割 〜ホクネットが目指す社会〜

私たち消費者が住む日本社会は、転換期を迎えているようです。
ここでは、少子高齢化、国際化、そして情報化の3つを取り上げて、現代社会の特徴を見てみます。

少子高齢化

日本社会は、第二次ベビーブーム以降、ほぼ一貫して子供の数は減り続けていて、2016年はついに100万人を割り込んだとも報じられています。

人口動態統計

合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数の平均)も、2005年を底にして少し持ち直しているとはいえ、1.45という低水準にとどまります。これは、人口を維持するのに必要な合計特殊出生率が2.07と言われていることと比較すると、社会を維持するのに危機的な数字ということができるでしょう。
その一方で、高齢化の進行も顕著です。

高齢化の推移と将来推計

総人口は減少に転じる一方で、高齢化率は右肩上がりとなっています。これは、子供の数が減っていることと、平均寿命が伸び続けていることの両面からの帰結です。

高齢世代人口の比率

国際化

次に国際化という面ですが、これは消費社会が国際化の波に揉まれているということ、具体的には消費者が直接に海外の事業者との取引を行うようになってきたということです。
 消費財の輸入は増大していますし、消費者個々人がインターネット経由で海外通販を利用することも珍しくはありません。日本語のサイトで買い物やサービスを受けている限り、海外の事業者と意識しないで取引を行っているということもあります。

消費財の輸入額の推移

これに加えて、いわば内なる国際化が進行しています。具体的には、外国から来た永住者の増大です。

在留外国人数と永住外国人数の推移

北海道ではニセコが外国人の定住者の多いところとして有名ですが、もっと多いところが全国にはあります。大阪市生野区は人口の2割が定住外国人だということです。

定住外国人率

こうした国際化は、私たちの生活を否応なく変えていくことでしょう。

情報化

第三に、情報化です。

年齢階層別

日本国内のインターネット利用者数はすでに1億人を超え、普及率は80%超となっています。また年齢層による利用格差もありますが、高齢者や未成年者のインターネット利用は年々増大しています。
そのインターネットを中心とする情報化は、第四次産業革命と言われる最近の技術の発展により、新たな時代を迎えようとしています。

インターネット社会から第四次産業革命

この第四次産業革命を基礎付けるのが、あらゆるモノをインターネットで結ぶIoT、ビッグデータの収集・解析・利用、AIの発達とロボット技術の進化、そしてそれらを基盤としたシェアリングエコノミーの発達などです。
Iotに属するデバイスは、特に消費者用が拡大しており、私達の生活に深く入り込むことでしょう。
AIも、単なる機械学習からディープラーニングへと進化することで、人間のコントロールの及ばない発達が進んでいくと言われています。これにロボット技術が加わり、人間が従事してきた仕事がクリエイティブな部分も含めて、機械に代替されることになりそうです。

世界のIoTデバイス数の推移及び予測

さらに、カーシェアとか、民泊とかといったシェアリング・エコノミーは、私たちの生活や消費様式も変えていく可能性があります。
このほか、いわゆるフィンテック、すなわち、主に、ITを活用した革新的な金融サービス事業が発達し、これにビットコインなどの仮想通貨が用いられると、決済がますます便利になっていくことでしょう。
このような第四次産業革命は、消費生活にも多大な影響を及ぼします。シェアリング・エコノミーの発達は、一日1万円のレンタカーが1000円程度で利用できるようになるかもしれませんし、レンタバイクもいくつかの都市では気軽に街角で利用できるようになりつつあります。フィンテックも、ソーシャルレンディングやソーシャルファンディングといった手法での資金調達が個人でも可能となりつつあります。
ビッグデータと人工知能、そしてIoTは、個人の生活にも深く入り込んで安心安全を安価に実現できることでしょうし、医療や介護のサービスの高度化はサービス受益者にとってもメリットとなります。教育面でも、反転授業やアクティブラーニングにネットワーク技術が寄与するところ大だということができます。

消費生活への影響〜光と影

少子高齢化という現象が私たちの生活に光と影をもたらすことは既に指摘しました。光の部分よりは、どちらかというと暗い将来が目立ってしまいますが。
この少子高齢化の課題に対して、国際化と情報化は、一方では恩恵をもたらします。国際化の中で、外国人が日本に定住することが多くなれば、日本の人口構成の歪みが修正され、若者が増えるかもしれません。また、介護に必要な人材供給も期待されるところです。
IoTやAI、ロボット技術は、人手不足を補うとともに、高齢者の行動を補佐することで豊かな老後を実現するのに役立つことでしょう。
他方、IoTやビッグデータの利用には当然ながら消費者にとってのマイナスの面があります。IoTのように高度な技術装置となると、それ自体ブラックボックスとなってコントロールができなくなるということもありますが、それ以上に、一つ一つのデバイスがコンピュータとなり、しかも外部と通信をするわけですから、ウィルス感染や不正操作がなされる可能性は否定できません。コンピュータ・ウィルスは、イタチゴッコとなってはいても、一応、ワクチンソフトが開発され、予防や駆除が可能です。それに対して例えば冷蔵庫とかクーラーに組み込まれたコンピュータがネットワークを通じてウィルスに感染したとして、消費者は何ができるでしょうか?
IoTのメリットとして「メーカーが自社製品の稼働状況データをリアルタイムでモニターし、不具合を探知すれば保守・点検を提供」する可能性があります。これならウィルスも怖くはないかもしれません。しかし、その代償としてIoTデバイスの情報をメーカーに常時送信し、場合によってはプライバシーを開示することが必要になります。

仮想通貨に関する相談

フィンテックも、便利さだけでなく、責任の所在が曖昧になったり、加盟店管理が困難になったり、場合によっては詐欺に活用されたりすることがあり得ます。高齢者がターゲットになりやすい素材という点も忘れてはならないでしょう。
いわゆるシェアリング・エコノミーも、当然ながらリスクがあります。カーシェアにせよ民泊にせよ、規制を受けたプロのサービスではなく素人がサービスを提供するわけですから、業務の水準は落ちるはずですし、事故や紛争のリスクがつきまといます。

消費者団体の果たすべき役割

国際化や情報化の便利さの裏側で様々な不利益や落とし穴があるのだとすると、これに対する消費者の安心安全のために、ケアが必要となります。
そのケアは、これまでは行政庁が消費者保護施策として展開するものでしたが、行政庁が追いつかないところは消費者団体に期待されます。消費者基本法8条には、消費者団体の責務として、「消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする」と規定され、26条には国の責務として「消費者団体の健全かつ自主的な活動が促進されるよう必要な施策を講ずる」ということが規定されています。
こうした規定にも現れているように、消費者団体は行政や自治体とは独立した自主的な立場から、消費者の立場に寄り添った支援をする責務があります。そしてこの複雑多様な現代社会の動きをキャッチアップしながら、子どもや高齢者、そして一般の消費者の多様なニーズにも応えていく必要があります。
ホクネットも、消費者契約法により不当条項や不当勧誘行為の差止めを裁判で請求する資格を認められた適格消費者団体ですが、現代社会の複雑な消費社会に起きる消費者のリスクを捉え、その被害の防止や被害回復にも、力を尽くしていきます。

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