2025.04.15

北海道電力株式会社に対し、消費者への返金を求める意見書を送付しました

特定適格消費者団体・消費者支援ネット北海道(ホクネット)は、電気とガスをセット契約した場合の料金表示について消費者庁から景品表示法に基づく措置命令(2023年7月28日)、及び課徴金納付命令(2024年12月3日)を受けた北海道電力株式会社(本社・札幌)に対し、対象消費者の電気とガス料金の合計または電気料金の金額から、「おトク」と表示された金額に相当する金額を減額する返金措置を通じて消費者の被害回復を行うよう求める意見書(別紙)を送付しました。

北電は北海道ガスからの切り替えを勧誘するチラシなどに、電気とガスのセット契約で年間1万円相当の得になるなどと明記していました。しかし、実際には契約に加え、会員ウェブサービスへの登録など複数の条件を満たさないと付与されないポイントが含まれており、こうした広告は景表法が禁じる「有利誤認」に当たります。セット契約口数は約21万口(2021年1月4日~2022年5月25日)とされています。

北電は、当法人からの照会に対し、返金を求める消費者はいなかったとしていますが、被害に気付かず、電気料金等が割安になっていると誤解したままの消費者がいる可能性があることに加え、返金を求めることへの負担感や紛争となることを避ける消費者がいる可能性があり、北海道内における最大手の電気事業者として、消費者への理解を欠いた対応と言わざるを得ません。

消費者裁判手続特例法に基づく集団的被害回復手続では、消費者が電気及びガスの契約を取り消して不当利得返還請求権や損害賠償請求権を行使したとしても、消費者が北電から電気の供給を受ける場合に限り、一定期間分が電気料金と相殺されるだけにとどまる可能性があります。また、消費者が別の事業者と新たに契約をすることになった場合、金銭的な負担が生じるおそれがあります。集団的被害回復訴訟では適切な被害回復とならないおそれがあるため、北電が自ら返金措置を通じて消費者への責任を果たすよう求めるものです。