2019.09.05

キタコー㈱が不当条項の使用停止を約束しました。

1 相手方事業者:キタコー株式会社(札幌市内大手の不動産賃貸業者)
  1970年代に札幌市内で設立され不動産の賃貸,売買を主な業とする株式会社です。札幌市内で判明しているだけで1000戸を超える居室を賃貸しています。

2 これまでの経過
 ・2010年 消費者からの通報を受け,相手方に対して消費者契約法に反する契約条項の使用中止を求める申し入れ。
 ・2011年 複数回のやり取りを経て,相手方は契約条項を修正すると表明したことから,対応を終了した。
 ・2016年 相手方は,修正すると表明していた契約条項の修正を実際には行っておらず,以前のまま利用していたことが判明。
 ・2016年 事業者の本社において証拠保全実施
 ・2017年 札幌地方裁判所に対して契約条項の差止,従業員等への文書での周知等を求める内容の差止請求提訴
 ・2019.7.24 訴訟上の和解により終了(期日合計17回)
 
3 訴訟上の和解について
 ⑴ 和解の概要
   ・消費者契約法違反の契約条項の使用差止
   ・既存入居者に対する契約条項の無効確認・権利不行    使の確認
   ・新たな契約書式を事業者代理人事務所にて開示
   ・従業員に対する和解内容の周知
 ⑵ 差止等の対象となった消費者契約法違反の契約条項の概要
   無催告解除条項(家賃の3日以上の滞納等)/水道光熱の供給停止や入室禁止,無断立入の自力救済条項/賃貸人の損害賠償義務の全部免責条項/強制執行,破産,民事再生の申立てによる解除条項/退去時の賃貸人の債務の全部免責条項/家具の設置痕,フローリングの保護を善管注意義務の内容とする条項/通常損耗も含む原状回復を求める条項

* 2019年8月30日(金)、キタコー㈱は、同社管理物件16棟の入居者に対し、上記契約条項は効力を有しない旨の通知書を投函しました。当弁護団5名と事務局も立ち合い、全て終了したことを見届けました。ホクネットでは、今後、和解の内容がきちんと履行されているかどうか、注視していく所存です。万一、入居者の方で、上記和解に反する請求を受けることがあった場合は、ホクネットまでご一報ください。