消費者支援ネット北海道(ホクネット)が昨年11月、保険金請求サポート業務を行う株式会社FLLW(本社・東京)に対し、請求業務を無料代行すると誤認させるチラシを配ったとして消費者契約法に反する消費者への不当勧誘の差し止めなどを求めた訴訟の判決が、2024年1月26日、札幌地裁でありました。守山修生裁判長は「消費者に誤認させる内容を告げてはならない」と述べ、差し止めを命じました。
判決などによると、同社は「無料調査0円」と記したチラシを配り、代行費用はかからないと誤認させました。実際には1人当たり少なくとも11万円を支払わせていました。判決理由で守山裁判長は「被告は出頭せず、争う意思がないと認める」と述べ、当法人の提訴内容を事実と認めました。
【これまでの経過】
ホクネットは2023年11月6日、FLLWに対し、消費者契約法に反する消費者への不当な勧誘を行わないことや、不当な契約条項を使用しないことを求める差止請求訴訟を札幌地裁に提起していました。
同社は「無料調査0円」とうたったチラシを配布して火災・地震保険金申請の勧誘を行っていますが、契約書には、調査が終了した時点で消費者が解約しても手数料が生じる規定のほか、契約締結後に消費者が解約した場合は、調査開始前でも「平均的損害額」を超える11万円の解約手数料を消費者が支払う旨の条項があり、当法人はこれらが消費者契約法に違反すると判断しました。
当法人は同社に対し、23年3月13日付で申入書を送付し改善を求めましたが、回答期限を過ぎても何ら回答が得られなかったため、消費者契約法41条に基づく事前差止請求書を10月12日付で同社に送付しました。しかし、これに対しても同社から回答がなかったため、提訴に至りました。
(ホクネットは悪徳商法などの被害者に代わり、不当行為の差し止めを求めることができる道内唯一の特定適格消費者団体です)